ローズヒップは非常にビタミンCが豊富なことで知られているハーブですが、バラの果実である、と言うこと以外、深くご存じの方は少ないのではないでしょうか。
ローズヒップとして扱われるバラの果実は、ドッグ・ローズと呼ばれる品種のバラの果実と、ローザ・ルゴサと言う品種のバラ(日本ではハマナスと呼ばれる)の果実の2種類です。
欧米では、ローズヒップはハーブティー以外にも、ジャムやシロップ、ゼリーなどの材料に用いられますが、日本ではチリ産の乾燥品をハーブティーとして消費することがほとんどです。日本のローズヒップティーの多くは他のハーブ、特にハイビスカスとよくブレンドされて販売されています。
この記事では
・ローズヒップティーの特徴
・ハーブティーとしてのローズヒップの評価
・ローズヒップの効果・効能
・ローズヒップ購入時の選び方
・おすすめの購入店・淹れ方・飲み方
などをご紹介していきます。
目次
ローズヒップティーの特徴
ローズヒップティーの何よりの特徴は、その際立ったビタミンC含有量と、ビタミンCの働きを助けるがごとくに含まれるヘスペリジン(ビタミンP)にあります。
ヘスペリジンは熱で壊れやすいビタミンCを守る作用があるため、ローズヒップに熱湯を注いでハーブティーにしても、ビタミンCが失われにくくなっています。
体内においても、ヘスペリジンは一度使われて役に立たなくなった形のビタミンCを、再び役に立つ形のビタミンCに戻すリサイクル効果をもちます。このため、ローズヒップから摂ったビタミンCの効果は体内で長続きします。
ローズヒップには、ビタミンC以外にも、カロテンなど体内でビタミンAに変わる物質やビタミンB群、ビタミンE、ビタミンK、鉄、カルシウム、カリウムなどが豊富に含まれており、他にもリコピンやフラボノイド類など様々な抗酸化物質を含んでいる、栄養に満ちたハーブです。
ハーブティーの評価
ローズヒップは、シングルハーブティーだと、香りは甘く感じられるものの、味は弱い酸味と薄い甘味しか感じられないため、特別においしいハーブティーというわけではありません。『酸味のあるトマトを薄めたような味』と例える人もいます。おそらくこれが、日本のローズヒップティーの主流がブレンドハーブティー(特に、爽やかな酸味があるハイビスカスとのブレンドティー)である理由の1つです。
ですが、豊富に含まれるビタミンCとヘスペリジン、そして抗酸化物質がもたらす美容効果と健康効果は非常に高いです。価格も、数あるハーブ類の中では格段に安くて手に入りやすく、ごく普通のスーパーでハイビスカスとのブレンドティー10ティーバッグが200円前後で買えるほどです。
よってこの評価になっています。
ローズヒップの効果・効能
主にビタミンCとヘスペリジンによる効果・効能がメインとなります。
ビタミンCによる皮膚へのメラニン沈着抑制効果
ビタミンCといえば美肌・美白効果ですが、それはビタミンCが皮膚のメラニンを作るチロシナーゼという酵素の働きを邪魔することで、皮膚へのメラニン沈着(シミ・そばかす)を防ぐことによります。
肌には28日周期のターンオーバーがあるので、ターンオーバーの間、ローズヒップティーを欠かさずに飲んでいれば、白い美肌の生成が期待できます。
ビタミンCと抗酸化物質による肌のアンチエイジング効果
ビタミンCは肌を作るコラーゲンの生成を促す作用があり、また、肌の構成成分であるヒアルロン酸、エラスチン、コラーゲンの劣化を抑制します。ビタミンEや、ローズヒップが含むさまざまな抗酸化物質も、ヒアルロン酸、エラスチン、コラーゲンの劣化を抑制します。ローズヒップティーを1杯飲むだけで、多くの種類のアンチエイジング効果を持つ物質を摂ることが出来ます。
ローズヒップティーではなく、ローズヒップの粉末を使った研究ですが、ローズヒップを摂ることで皮膚のシワ・弾力・水分量が改善したという研究報告もあります。
ビタミンCのヒスタミン抑制・排出作用による抗アレルギー効果
ビタミンCを大量に摂ると、ヒスタミン生成を抑える効果と、ヒスタミンを体外に排出する効果があります。ヒスタミンは花粉症のくしゃみ・鼻水・涙の原因です。
そのため、普段からローズヒップティーを飲んでビタミンCを多く摂取しておくと、花粉症などのアレルギー症状が緩和できます。また、まだ研究途上ですが、ヘスペリジンにも、ヒスタミン生成を抑制する効果があります。
ビタミンCのインターフェロン分泌促進による免疫力の強化
ビタミンCは白血球の一種である好中球を活発にし、抗ウイルス作用を持つインターフェロンという物質の分泌を促します。ビタミンC自体も体内の病原菌を攻撃します。
このため、普段からローズヒップティーを飲んでおくと免疫力を上げることが出来ると言えます。
ヘスペリジンとビタミンCによる毛細血管強化
毛細血管は膜を通して酸素や栄養を体の組織とやり取りしていますが、毛細血管の膜の透過性がよくなりすぎると、出血したり、細菌が入りやすくなったりしてしまい、内出血のもとになったり病気の原因となったりしてしまいます。
ヘスペリジンとビタミンCは、この毛細血管の透過性がよくなりすぎないよう調整する機能を持ちます。そのため、ローズヒップティーには毛細血管を強化する効果があると言えます。
ヘスペリジンの血流改善作用による冷え性改善効果
ヘスペリジンには末梢神経を拡張させ、血流循環を改善する効果があります。このため、末端の血管まで血が流れて熱が行き渡るようになり、末端冷え性の改善に効果があります。
カリウムの利尿作用とヘスペリジンの血行改善によるむくみ改善効果
カリウムは利尿作用を持つため、むくみを改善する効果を持ちます。
ヘスペリジンで体のすみずみまで血流が良くなっている時だと、体のすみずみから腎臓に血が集まって、カリウムの利尿作用で血中の余計な水分が膀胱に集められ、排出されるため、むくみ改善効果が更に期待できます。
リコピンやヘスペリジンなどの抗酸化物質による動脈硬化抑制効果
リコピンやヘスペリジン、その他フラボノイド類などのローズヒップの抗酸化物質は、活性酸素の発生を抑えます。
これにより、血中脂肪が動脈内壁に張り付いて活性酸素で酸化され、動脈硬化の原因となることを防ぎます。
水溶性食物繊維ペクチンによる整腸効果
ローズヒップティーをハーブティーにすると、水溶性食物繊維のペクチンがハーブティーに溶け出します。
適量の摂取であれば、ローズヒップティーに含まれるペクチンは整腸作用を示します。
ローズヒップティーの選び方
ハーブによって購入時に気をつけるべきことは少しずつ異なってきます。これから書く選び方はあくまでローズヒップの場合についてです。
栽培品か野生の品か見る
ローズヒップは、山間に自生している野生の木の果実のほうが味や香りが濃いです。また、野生の果実は、密集栽培されていないがゆえに果実に養分が凝縮されて栄養価が高いと考えられているため、ローズヒップ単体で買うなら、野生の品を選びましょう。
オーガニック栽培を売りにしている商品も多いですが、野生の品であれば、オーガニック栽培の基準は難なくクリアしていて、それでいてでオーガニック栽培のものより栄養価が高いと考えられるので、やはり野生の品のほうが良いですね。
使い切れる量か見る
ローズヒップ以外のハーブでも言えることではありますが、ハーブはしっかり密封保存しておかないとすぐ質が低下します。使い切れる量で売っているか、自宅でしっかり保存できる方法があるかを考えて買いましょう。
加工方法で選ぶ
ローズヒップは、シェルカット(果肉を2つに割って種をとったもの)、ファインカット(果肉を細かく粉砕したもの)の2種類が主流です。
ハーブティーを淹れる時間が短くなるのはファインカットの方です。ローズヒップの栄養を余さずとりたいなら、ハーブティーの出がらしも食べたほうがいいのですが、その場合はファインカットのほうが出がらしを食べやすいです。
シェルカットの方は、淹れるのに時間がかかりますが、ハーブティーとして使うのでなく、ローズヒップの蜂蜜漬けなどの加工品を作りたい場合には、シェルカットのほうが使い勝手がいいです。
購入方法
スーパーでの購入
普通のスーパーで手に入るローズヒップティーは、ほとんどが日東紅茶・トワイニング・ポンパドール・リプトンの4ブランドのティーバッグで、4つともハイビスカスその他のハーブとブレンドしたものです。
どうしてもこの4ブランドから選ぶなら、ポンパドールのローズヒップ&ハイビスカスティーがおすすめです。ポンパドールは、古くからハーブを医学や生活に多く取り入れているドイツの⽼舗ティーメーカー・ティーカネン社をルーツに持つブランドで、1つ1つのティーバッグがアルミ包装されているほど、品質保持に気が使われています。
ただ、ポンパドールはなぜか、お茶を淹れる時に蒸らす時間が妙に長く設定されているので、せっかちな人はリプトンか日東紅茶のティーバッグを選んでください。
ハーブ専門店での購入
ハーブ専門店の店頭でローズヒップを買いたいなら、全国展開しているハーブ・アロマ専門店として生活の木があるので、まずはそこをおすすめします。生活の木のローズヒップは、少量から大容量まで購入できて便利ですが、野生のローズヒップの採取・販売よりオーガニック栽培のローズヒップの販売にこだわっている店です。
野生のローズヒップを店頭で手に入れたければ、東北・関東・東海・関西でハーブティー専門店を展開しているenherb(エンハーブ)がおすすめです。この店はオンラインショップも持っているので、北海道や九州にお住まいの方でも諦めないでください。
ネット通販での購入
まずは飲みやすいローズヒップティーとして、Cuckoo Tea bag(ククーティーバッグ)の『ローズヒップ&ハイビスカス』をおすすめします。テトラ型ティーバッグ(三角ティーバッグ)が使われているため、ハーブティーを淹れたり淹れた後の出しがらを処理したりするのがお手軽なだけでなく、ハーブがテトラ型ティーバッグの中で広がりやすく、味や香りがよく出ます。
野生のローズヒップを出がらしの栄養まで味わい尽くしたい場合は、ハーブティー&アロマ専門店の通販ユーンの『ローズヒップ ファインカット 200g』をおすすめします。このローズヒップも、アンデス山脈に自生している野生のローズヒップを使用していますので、栄養・味・香り共に申し分ないはずです。
おすすめのローズヒップブレンドティー
フルーティー系から健康系まで、4つ紹介していきます。
『スーパーフルーティー』(トワイニング)
ローズヒップ&ハイビスカスの酸味に加えて、ブルーベリーやラズベリーなどベリー系の香りが豊かでで、砂糖や蜂蜜などの甘みがとても良く合います。比較的安価に手に入りやすい、飲みやすくてフルーティーなハーブティーです。
『ジュテーム・ミニョン』(ルピシア)
ピーチ・パイン・アップルをメインとした甘い香りと味に、ローズヒップとハイビスカスの酸味を加え、更にレッドローズペタル(薔薇の花弁)の芳醇な香りを加えたフルーツティーです。フルーティーでありながらバラの香りが高級感を醸し出します。
『爽やか美観』(ハーブティー&アロマ専門店ユーン)
胃腸を整え、強壮作用があるレモングラス、甘い香りが特徴的なピンクローズペタル、そこにローズヒップとハイビスカスが混ぜられています。甘いバラの香り(女性ホルモンバランスを整える作用がある)とレモングラスのキリッとしたレモン系の香りが、ローズヒップ&ハイビスカスの爽やかな酸味に合います。
『エレガンスローズ』(カフェ・ド・サボン)
女性に良い花のハーブを中心としたブレンドです。華やかな香りの中にローズヒップのかすかな酸っぱさを感じられます。女性ホルモンバランスを整えつつ、ビタミンCも摂取したいときにおすすめです。
ローズヒップティーのおすすめの淹れ方
カップ1杯(150~180ml)につき、ティースプーン1~2杯のローズヒップを目安にして淹れてください。ローズヒップにはシェルカットとファインカットがありますが、どちらも熱湯を注いで蒸らして抽出します。ファインカットは3分ほど蒸らせば十分です。シェルカットは7分ほどですが、商品の注意書きと異なるようであれば、商品の注意書きに従ってください。
ローズヒップの出がらしに用がなければ、ポットにローズヒップを入れて熱湯を注いで蒸らせばいいだけですが、もしローズヒップティーを飲み終わってから出がらしを食べる場合は、カップに直接ローズヒップを入れて熱湯を注ぎ、ソーサーか何かで蓋をして蒸らしたほうが、飲み終わった後出がらしを食べやすいです。
ローズヒップティーのおすすめの飲み方
蜂蜜やジャムなどを足して甘くして飲む
ローズヒップのシングルティーは、そのままだと薄味で主張がありませんが、甘みを足すと酸味も手伝って甘酸っぱく飲みやすくなります。ジャムはいちごジャムやマーマレード、アオハタのまるごと果実のクランベリーなどが合います。甘みをつけるのには、ハーブの一種で、ノンカロリーなのに少量で強い甘みを持つステビアを使うのもおすすめです。
ファインカットのローズヒップと熱湯をカップに入れてお茶にし、最後は出がらしごと一気に飲む
あまり行儀の良くない飲み方ですが、出がらしごと摂取すると、ローズヒップのビタミンE・鉄分・カルシウムなど、ハーブティーに溶けにくい成分や、ハーブティーに溶け切れず残ったビタミンCやヘスペリジンなどのあらゆる栄養が完全に摂れて、健康と美容に大変役立ちます。出がらしを飲み込めないなら、出がらしだけ残して、蜂蜜やジャムと出がらしを混ぜて食べるという方法もあります。
ファインカットのローズヒップを紅茶に1~2割ブレンドする
ローズヒップのほのかな甘い香りが紅茶に足され、今ひとつ薄い甘酸っぱさは紅茶の味で消されます。紅茶の後味に、ローズヒップの酸味の残りの爽やかさだけが残るブレンドティーが出来上がります。シェルカットのローズヒップだと、お湯を注いでからローズヒップの味や香りが十分に出るまでの蒸らし時間が紅茶の茶葉より長くなってしまうため、ファインカットの方を使ってください。
ハイビスカスを足してから甘みを足す
酸味が爽やかで強く、ハーブティーにした時の真っ赤な色合いが美しいハイビスカス(ハーブティーに使われるのはローゼルという品種)は、ローズヒップと切っても切れない関係にあります。ハイビスカスもビタミンCが多いので、ローズヒップの健康効果を増強しますし、ローズヒップの今ひとつぼんやりした味をはっきりとした酸味に変えてくれます。ハイビスカスを加えると、蜂蜜などで甘みを足した時もしっかりと甘酸っぱくなり、味がはっきりしておいしくなります。
ハイビスカスを足して濃く淹れて氷に注いでアイスティーにする
酸味が爽やかで、ビタミンC豊富なローズヒップ&ハイビスカスティーは、熱くて日差しが眩しい夏に外で飲むアイスティーとしても最高です。そのままでも美味しいですが、ステビアや蜂蜜などで甘さを足すと、ジュースのように飲めてしまいます。
このハーブとのブレンドがおすすめ
何か効果・効能があるだけでなく、ハーブティーとして飲んで美味しいこともブレンドハーブティーにおいて重要という考えのもと、3つブレンドティーレシピを作りました。
ローズヒップ2+ハイビスカス2+クランベリー1
クランベリーはむくみ取りに効果のあるベリーで、日本ではハーブとしても使われるドライフルーツと、アヲハタのフルーツスプレッド『まるごと果実』くらいでしか見ませんが、欧米ではお菓子や料理にとてもよく使われています。
このブレンドはどれも酸味のある系統の味なのでまとまりがあり、クランベリーがフルーティーさを足してくれます。3つのハーブの相乗効果で、血行改善・冷え性改善・むくみ取りに効果があるブレンドティーです。これに蜂蜜やステビアで甘みを足しても美味しいです。
ローズヒップ3+ハイビスカス3+ローズペタル1+ヒース1
基本的に美肌のためのブレンドです。ローズペタルの甘いバラの香りは、ローズヒップやハイビスカスに合うだけでなく、女性ホルモンを整えて女性特有の不調を軽減する効果があります。そのため、生理前の肌荒れにも効果が期待できます。
ヒースにはアルブチンと言う肌を白くする効果がある成分が含まれていて、ローズヒップのビタミンCとの相乗効果が期待できます。
ローズヒップ3+ハイビスカス3+オレンジピール1+レモンピール1
柑橘系の香りとローズヒップ&ハイビスカスの酸味が合う、フルーティーさを味わうブレンドです。
もし、今夜はなんだか憂鬱で眠れないなあ、という時は、レモンピール1を抜いてオレンジピールを3にしたものを飲んでみると、オレンジピールの香りのリラックス効果と、ローズヒップの血行改善作用で眠りやすくなるかもしれません。
ローズヒップティーを提供しているお店
ローズヒップのシングルティーを提供している喫茶店やカフェは非常に少ないのですが、ローズヒップブレンドティーとなると、ローズヒップ自体は使い勝手の良いハーブなので、相当のカフェや喫茶店が扱っていて、とてもローズヒップブレンドティーを提供してくれるすべてのお店をご紹介することができません。
そのため、関東と関西の有名所のハーブティーカフェを、いくつか選んでご紹介します。
nagomi NATULURE(なごみナチュルア)
東京の人形町、幡ヶ谷、根津にあるハーブティーカフェです。『有機ローズヒップブレンド ヴィーナスの赤い果実』というローズヒップブレンドティーを提供しています。
天現寺カフェ
東京都南区にあるカフェです。オリジナルブレンドティーである『天現寺カフェオリジナルブレンドNo.1(for Aging-care)』というローズヒップブレンドティーを提供しています。他にも様々なオリジナルハーブティーや妊娠中の女性にも嬉しいハーブティーを揃えている店です。
たま茶
京都市上京区にある、オーガニックハーブティーとアートサロンのカフェです。オリジナルブレンドティーである『雪肌美人』『ばら色の日々』『ベリーな気分』というローズヒップブレンドティーを提供しています。
・たま茶
ハーブカフェSORA
大阪府大阪市北区にあるハーブティーカフェです。ローズヒップのシングルティーも頼めば提供してくれるカフェですが、この店のオリジナルブレンドティーのローズヒップブレンドティーである『ビタミンブレンドハーブティー』のほうが、ハーブティーに慣れない方にも飲みやすい味わいに作ってあるでしょう。
ハーブティーと香りのお店&shu(アンドシュウ)
大坂市城東区にあるハーブティー・アロマ専門店にしてカフェです。『美容・疲労回復ブレンド』というオリジナルのローズヒップブレンドティーを提供しています。
ローズヒップティーを飲む際の注意点・副作用
妊娠している人にとってローズヒップティーが安全と言い切るにはデータが不十分
信頼できる研究やデータが不足しています。一滴も飲んではいけないわけではありませんが、『国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報』では、「通常の食品に含まれる量以上の過剰な量を使用することは避けたほうが良い」としています。お茶として楽しむ以上の量の摂取は避けるべきでしょう。
授乳している人にとってローズヒップティーが安全と言い切るにはデータが不十分
これもやはり、信頼できる研究やデータが不足しています。『国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報』では、「通常の食品に含まれる量以上の過剰な量を使用することは避けたほうが良い」としています。お茶として楽しむ以上の量の摂取は避けるべきでしょう。
飲みすぎると下痢をすることがある
水溶性食物繊維であるペクチンのとりすぎで起こるものです。もしローズヒップの出し殻まで食べていたら、更に下痢を起こしやすくなります。ローズヒップティーの健康・美容効果を高めたくても、摂り過ぎは程々にしてください。
腎臓結石がある人はローズヒップティーの飲用を避けるべき
ビタミンCは、体内で代謝されてシュウ酸となります。腎臓結石(尿結石)はシュウ酸塩でできています。ローズヒップの豊富なビタミンCは腎臓結石のリスクを増やしてしまうため、腎臓結石や尿結石のある人はローズヒップティーの飲用を避けるべきです。
血液凝固防止剤(ワルファリン)を服用している人はローズヒップティーの飲用を避けるべき
ローズヒップに含まれるビタミンKはワルファリンの作用を弱めてしまいます。ワルファリンを服用している人はローズヒップティーの飲用は避けるべきです。
まとめ
・ローズヒップティーはビタミンC豊富なだけでなく、ビタミンCを助けるヘスペリジン、カロテン、ビタミンE、K、ミネラル、リコピン、その他フラボノイドなどの抗酸化物質が豊富な栄養価に優れたハーブである
・ローズヒップティーは単体では薄味だが、香りは甘く、健康と美容への効果が素晴らしく高く、価格も安い
・ローズヒップティーはブレンドティー、特にハイビスカスとのブレンドで売られていることが多いが、探せばシングルハーブでも売られている
・栽培品でも有機栽培品でもなく、野生のローズヒップが一番味が濃くて栄養価も高いとされているため、購入するローズヒップを選ぶときは、野生のローズヒップを選ぶべき
・ローズヒップティーには美肌効果・免疫力アップ・冷え性改善・むくみ改善・動脈硬化抑制など様々な健康効果がある
・ローズヒップティーの効果の多くはビタミンCとヘスペリジンによる
・ローズヒップの栄養を完全に得たいなら、出がらしも食べるべき
・ローズヒップは、ハーブティーにしてから甘くしたり、紅茶とブレンドしたり、味の相性がいいハイビスカスとのブレンドティーにして甘くすると飲みやすくおいしくなる
・ローズヒップはフルーツ系のハーブやローズペタルとのブレンドティーに向く
・ローズヒップブレンドティーを提供するカフェは非常に多く、この記事で紹介しただけでも関東・関西どちらにもある
・妊娠している人、授乳している人はローズヒップティーの摂り過ぎは避けるべき
・ワーファリン服用者、腎結石や尿結石を持つ人はローズヒップティーの飲用を避けるべき
ローズヒップは、単体では驚くほどおいしいハーブではありませんが、効果・効能には眼を見張るべきものがあります。味や香りに主張が多くない分、他のハーブとブレンドしやすかったりもするので、逆に便利でもあります。
ローズヒップの栄養をまるごと取るために、この記事では出がらしまで食べることを推奨しましたが、スウェーデンでは伝統的なフルーツスープとして、種をとったローズヒップを柔らかく煮てミキサーにかけ、砂糖とレモン汁を加えたものを飲みます。古くからの知恵ですね。
また、ローズヒップにはややトマトに似た風味がありますが、それを生かして、ミネストローネのトマトをローズヒップに置き換えて作るチャレンジングなレシピもあるので、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。